過去数十年で最も注目を浴びている裁判の一つである「米国対ジョハール・ツァルナエフ」裁判の陪審員選びが1月5日に始まりました。21歳のツァルナエフは、3人が死亡、26人以上が負傷したボストンマラソンのゴール付近での爆弾を仕掛けたことで起訴されています。この事件は、1995年のオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件以来、米国史上最悪の爆破事件です。ツァルナエフは30の罪状で起訴されていますが、有罪が認められれば死刑の判決を受けることになる罪状が半数以上です。陪審員の選択には数週間かかり、その後の裁判は最大5ヶ月かかる予定です。しかし、爆弾の犠牲者や広範なボストンのコミュニティが幕引きを求める一方で、適正続きをめぐる様々な思惑がこの訴訟を数年に長引かせる可能性もあります。裁判に先立ち、被告側弁護団は、被告は爆破が起きたボストンでは公正な裁判を受けられないとして、訴訟を州外に動かそうとしましたが失敗に終わりました。連邦検察はまた、死刑執行が禁じられている州で死刑を求刑していることになります。このことによって、死刑に反対意見を持つものが除外されるなど、陪審員候補者は厳しく制約されることになるでしょう。