グアンタナモに大規模な移民収容施設をつくるトランプの計画はハイチ難民を収容した過去の再現
トランプ大統領が強硬な反移民政策の一環として打ち出した、難民申請者をキューバにあるグアンタナモ米軍基地に収監するという政策が批判されていますが、じつは目新しい政策ではありません。2011年の米国同時多発テロ(9/11)から始まった「テロとの戦い」で、グアンタナモはアルカーイダの一味という容疑で捕縛された世界各地の人々を収監する「永遠の監獄」として知られるようになりましたが、そうなる以前から、米国に押し寄せる難民をどどめおく防波堤として使われてきた歴史があるのです。
グアンタナモ海軍基地は米国がキューバから永久租借したことになっていますが、この「あいまいな主権」を利用して、カリブ海諸国からの難民申請者を収監する施設として長年にわたり使われてきたのです。難民申請するには、先ずその国に到達していることが前提ですが、グアンタナモは米国本土ではないという理由で申請させないのです。1990年代前半には、クーデターの起きたハイチからの難民(4万人)、続いてソ連崩壊を受けて経済危機に陥ったキューバからも大量の難民(3.5万人)がグアンタナモに収容されました。
中南米の現代史を研究する学者ミリアム・ペンサックは、この過去の歴史を説明したうえで、現在ドミニカ共和国が陸続きのハイチ系の人々を締め出そうと拘束したり強制送還しているように、カリブ海地域にすでに存在する人種差別的な移民排斥の政策が、トランプ大統領の反移民政策との連携する可能性を示唆しています。
*ミリアム・ペンサック(Miriam Pensack):中南米現代史研究者、プリンストン大学フェロー
字幕翻訳:矢島英美理 ( 神戸市外国語大学外国語学部英米学科2年 受賞当時)
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