英国の作家タリク・アリ トランプのガザ民族浄化容認や世界的な極右の台頭を語る

2025/2/12(Wed)
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英国で活躍するパキスタン出身の有名な活動家、作家、編集者、映画作家のタリク・アリをスタジオゲストに迎え、最近出版された2冊目のメモワールYou Can't Please All (「丸くなれない私」ぐらいの意味です)をもとにしたロングインタビューを行いましたが、その冒頭の部分を紹介しています。

多方面にわたる多彩な活動で有名な人ですが、最初に注目されたのは1968年のグロブナー広場の大衆デモです。このデモに参加していたミック・ジャガーが書いた「ストリート・ファイティングマン」という曲は、タリク・アリのことだったそうです。

前半はガザで進行中のジェノサイドとパレスチナの現状について、長年この問題に関心を注いできた立場から話します。トランプ大統領の手法はあまりにも乱暴に見えますが、じつは彼の前任者(バイデン)もやっていたことは大して変わらず、トランプはただそれを露骨に示しているだけだとアリは言います。また、親交のあったエドワード・サイードが晩年に唱えていた「一国家二民族」(すべての住民が一人一票を持つ)という考え方を紹介し、現時点でそれは有効なのかは疑問と言っています。

後半の部分で語る欧州に台頭する極右勢力の運動については、日本の政治状況とも共通するので重要です。極右台頭の背景となったのは、それ以前の政治への絶望があると彼は指摘します。二大政党である中道右派(保守党)と中道左派(労働党)が対立を装いながら実のところは共に新自由主義の政策を推進しており、政権交代が茶番に陥っていたからです。タリはこれをExtreme Center(過激な中道)という本の中で説明していますが、ここから抜け出して現状を打破するにはもっと右かもっと左に行くしかない状態なのです。でも左が壊滅状態であれば、おのずと極右に期待するしかないのです。あれれ、これって今の日本とおなじかも。

 

*タリク・アリ(Tariq Ali):パキスタン生まれの英国の作家、活動家、映画作家、雑誌<cite>New Left Review</cite>の編集者。50冊以上の著書があり、最近、2冊目のメモワール<cite>You Can’t Please All: Memoirs 1980-2024</cite>を出版した。 

Credits: 

字幕翻訳:本多由依 鈴木瑛子 アマンダ・ロックウッド 
(クイーンズランド大学通 訳翻訳修士課程ーMATI 2年 受賞当時)
学生字幕コンテスト2025 課題4の最優秀作品です