物議をかもしているニューヨーク市警察の「ストップ&フリスク(通行人を呼び止めて令状なしに身体検索をする路上尋問)」プログラムは、今回の市長選で有権者の関心が高かった問題でした。8月に地方判事シーラ・シンドリンが同プログラムを憲法に違反すると判断して広く注目を浴びたのです。この尋問が「白人だったならば呼び止められなかったであろう黒人やヒスパニックの人々」を日常的に警官が呼び止めることにつながっており、市警は「間接的な人種プロファイリング施策」に依拠しているとしたのです。同判事はストップ&フリスク手法の停止は命じませんでしたが、一連の改革を監督する連邦裁判所の監視官を指名しました。それが先週10月31日、思いがけぬ展開を見せました。控訴審がこの改革施策を停止し、警官たちに事実上ストップ&フリスクの行使継続を容認したのです。これに対する反応を1人の警察官から聞きます。アディル・ポランコは、自身を含む数千人の警官たちが実行するよう言われているこのプログラムの問題点に関して発言してきました。彼がストップ&フリスク施策に批判的になったのは、上司が現場警官たちに呼び止め尋問のノルマ数を与え、それに達しない場合は懲罰もあると命じた時だと言います。ポランコは自分の分署の会議でのノルマについての説明を録音し、関係する監督部署に懸念を持ち込みましたが、無視されました。