天然ガス掘削による地下水の汚染

2009/9/3(Thu)
Video No.: 
3
15分

水圧破砕法あるいは「フラッキング」(フラクチャリング)と呼ばれる石油・天然ガス採掘技術は、油層に高圧の液体を注入して岩石層に割れ目(フラクチャ)を作り、そこに砂などを充填して割れ目がふさがらないようにして、ガスの通り道を作ってやる採掘法です。液体を固める過程でいろいろな化学薬品が使われます。

ハリバートン社などの採掘会社は、「フラッキング」によるガス採掘は安全だといいますが、それに反対する人々は、この技法は危険な物質で地下水を汚染すると主張しています。天然ガス採掘と地下水汚染とのつながりを示唆する新たな証拠が出現しました。

調査報道サイト「プロプブリカ」のエイブラハム・ラストガーテン記者の報道によると、ワイオミング州で、少なくとも3つの井戸から汲み出した水に水圧破砕に使われる化学物質が含まれていることが、連邦政府職員の調査により発覚しました。(中野)

★ DVD 2010年度 第4巻 「巨大リスクと利益」に収録

エイブラハム・ラストガーテン(Abrahm Lustgarten)
調査報道サイト「プロプブリカ」の記者で、過去1年にわたりフラッキング技法による汚染の問題を詳細に調査し、多くの記事を発表している

参考URL
Buried Secrets: Gas Drilling's Environmental Threat (ProPublica)

Credits: 

字幕翻訳:川上奈緒子/校正:永井愛弓
全体監修:中野真紀子・付天斉