「ショックドクトリン 大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革」 ナオミ・クライン新著を語る 1

 1973年のピノチェト将軍によるチリのクーデター、天安門事件、ソ連崩壊、米国同時多発テロ事件、イラク戦争、アジアの津波被害、ハリケーン・カトリーナ。これらの事件に一すじの糸を通し、従来にない視点から過去35年の歴史を語りなおすのが、カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインの話題の新著The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism(『ショック・ドクトリン:惨事活用型資本主義の勃興』)です。ケインズ主義に反対して徹底した自由市場主義を主張したシカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマンは、「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べました。この主張をクラインは「ショック・ドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなします。近年の悪名高い人権侵害は、とかく反民主主義的な体制によるサディスト的な残虐行為と見られがちですが、実は民衆を震え上がらせて抵抗力を奪うために綿密に計画されたものであり、急進的な市場主義改革を強行するために利用されてきたのだ、とクラインは主張します。 (13分)

ギリシャとイギリスで数十万規模のストライキ 大胆な歳出削減と緊縮政策に抗議

2011年夏、英国では公共セクター職員75万人強が政府の推進する年金制度改革案に反対して24時間ストを決行しました。この年金制度改革は、財政赤字削減のため公務員年金の支給開始年齢を引き上げ、年金積立金を増額する一方、受給額は減少させるものです。労組側は、銀行が引き起こした経済・財政ききのツケを労働者に回すのはお門違いだと反発しています。英国全土の学校の3分の2がストで休校になり、学生も抗議行動に合流しています。(16分)

ギリシャ国民投票を妨害するEUの背後にはデフォルト回避に必死なウォール街が

2011年11月初旬カンヌで開催されたG20サミットの議題はギリシャ救済とヨーロッパ債務危機への対応でした。この直前にEUの救済措置を受け入れるかどうか国民投票で決めると発表したギリシャのパパンドレウ首相は、集中砲火を浴びました。国民投票で救済提案が否決しされればギリシャはデフォルトに追い込まれ、金融市場は大きなリスクに直面するからです。でも救済案を受け入れれば、ギリシャは今後長期にわたり緊縮財政と不景気が続き、公共財も天然資源も借金のかたにとられてしまいます。国の主権にもかかわるような大問題を国民投票で決めることの、どこが間違っているというのでしょう。国民の頭越しに政府間の話し合いで決めてしまいたいというEUのほうがよっぽど変です。(12分)

米国が隠したヒロシマとナガサキ

3.11の福島原発事故は、核エネルギーを安全に使いこなせるという原子力「安全神話」をくつがえしました。原子力の平和利用という謳い文句の下、放射能への恐怖を軽んじたのは日本も米国も同じでした。あまりにも残虐な武器の使用を正当化するために、被爆者の惨状を隠そうとする動きは、終戦直後から始まりましたが、さらに冷戦下の核軍拡競争と原子力発電推進の中で、米国は原爆の全貌を国民の目から隠しました。ウソで固めた核の時代が始まったのです。(26分)

債務上限論争の勝ち組は金融市場と国防総省

2011年夏、米国政府はあわやデフォルト(債務不履行)に陥る寸前に追い込まれました。「米国債のデフォルト危機」と日本でも一時あおられましたが、これはまったくの政治的な駆け引きの問題でした。そもそも債務上限の引き上げは1963年以降、毎年のようにほぼ定期的に引き上げられてきたものであり、いまさら政治問題にするようなものではなかったのです。でも終わってみれば、軍事予算だけが上積みされるペンタゴンの全面勝利だったようです。では敗者は誰だったのか、いったい、どうしてこんなことに?金融アナリスト出身の辛口経済批評家で『超帝国主義国家アメリカ』の著者マイケル・ハドソン教授と軍事経済専門家のウィリアム・ハートゥング氏に聞きます。(24分)

労働組合や学生たちが合流 「新しい運動」の始まりか?

 「ウォール街を占拠せよ」(Occupy Wall Street)抗議デモは20日目に突入。ニューヨーク最強の労働組合のいくつかが今日、同市庁舎からこの抗議デモが陣取る金融街地区に向けてデモ行進を 行う予定です。また数千人とも予想されるニューヨーク市内の主要公立大学の学生たちも、授業料高騰に抗議する授業ボイコットを行うことで、側面支援をする ようです。一方、同様の「占拠」運動が米国中の都市に広がっています。4日には154組合9万人の労働者を代表する大ボストン圏労働協議会 (Greater Boston Labor Council)が「ボストンを占拠せよ」陣営への支持を表明しました。「我が国の権力の不均衡と我々の経済を台無しにしたウォール街の役割に光をあてた」というのが理由です。この「ウォール街を占拠せよ」運動が経済変革のための多様な草の根運動を誘発するのかどうか、今日は2人のゲストが議論します。ネイション誌の寄稿者でColorLines.comの編集主幹カイ・ライトは、同サイトで "Here’s to Occupying Wall Street! (If Only That Were Actually Happening)"(「ウォールストリートを占拠せよ」に乾杯!(それが実際に起きていればね))と題する記事を書いています。もう1人のアルン・グ プタはインディーペンデント(Indypendent)紙の編集者で、またThe Occupied Wall Street Journal (『ウォールストリートを占拠せよジャーナル』) という、同運動に連動した新聞の編集も行っています。同紙で彼は、”The Revolution Begins at Home” (アメリカで革命が始まった)と題する記事も執筆しました。

巨大種子企業に立ち向かうカナダの一農民 農民の権利と種子の未来とは?

ドイツのボンに集まった約80人のライトライブリフッド賞受賞者たち中に、カナダの農民パーシー・シュマイザーの姿がありました。受賞理由は、生物多様性と農民の権利を守るための勇気ある行動、すなわち巨大バイオ企業モンサントに対して戦いを挑んだダヴィデのような行動です。その発端は、隣家が育てていたモンサントの遺伝子組替えナタネの花粉が風で飛ばされシュマイザーの畑に混入し、50年かけて改良を重ねた自家開発の品種品種を汚染した事件でした。取り返しのつかない損失に打ちひしがれるシュマイザーに追い打ちをかけるように、モンサントは自社のGM種子を無断で栽培したとしてシュマイザーを特許侵害で訴え賠償金を要求したのです。あまりの理不尽と傲慢なやり方が彼を奮い立たせ、農民の権利のための戦いが始まりました。シュマイザー夫妻の戦いの記録を通じて、モンサント社と遺伝子組換え産業の危うさが浮き彫りになります。

オフショア金融とタックスヘイブンはグローバル経済の心臓部

ウォール街を占拠した米国の99%の怒りは、金持ちが税金で救済されて国民に負担を押し付けておきながら、なおかつフェアな税負担をしていないことです。日本の総理大臣も増税にひた走っていますが、増税の前に抜け穴を塞いでもらわなくちゃ。租税回避の代名詞が「オフショア」ですが、英国ジャーナリストのニコラス・シャクソンによれば、オフショア金融制度は単に租税回避の手段というだけでなく、秘密の保持によって自国の法規制の抜け道を提供し、不透明なハイリスク取引を可能にします。ウォール街の資金力にあかせた政治力行使を陰で支える聖域なのです。(25分)

ジュリアン・アサンジとスラボイ・ジジェクの対談 Part 1 ウィキリークスの理念と影響、マニング、米国での大陪審

2010年12月ロンドンの監獄からは保釈されたものの、以来ずっとノーフォークの邸宅に軟禁状態に置かれてきたジュリアン・アサンジが、スウェーデンへの身柄引き渡しに抗告する上訴審を間近に控えた7月2日、初めて公開の場に姿を見せました。スラヴォイ・ジジェクと長時間の対談を行い、司会はエイミー・グッドマンという、たいへんに珍しいイベントです。会場を提供したフロントライン・クラブは、最前線で命を落とした戦争ジャーナリストを記念して設立された団体です。二時間に及ぶ興味深い対話を2回に分けてお送りします。

ジュリアン・アサンジとスラボイ・ジジェクの対談 Part 2 新マッカーシズムの台頭、コミュニケーションの権利、アラブの春へのウィキリークスの影響、クレジット会社提訴など

2010年12月ロンドンの監獄からは保釈されたものの、以来ずっとノーフォークの邸宅に軟禁状態に置かれてきたジュリアン・アサンジが、スウェーデンへの身柄引き渡しに抗告する上訴審を間近に控えた7月2日、初めて公開の場に姿を見せました。スラヴォイ・ジジェクと長時間の対談を行い、司会はエイミー・グッドマンという、たいへんに珍しいイベントです。会場を提供したフロントライン・クラブは、最前線で命を落とした戦争ジャーナリストを記念して設立された団体です。二時間に及ぶ興味深い対話を2回に分けてお送りします。(55分)

ブルックリン橋で700人逮捕 「ウォール街占拠」が全米に拡大

 ニューヨーク金融街で行われている「ウォール街を占拠しよう(Occupy Wall Street)」キャンペーンは、ブルックリン橋を行進しようとした1日に劇的な展開を迎えました。警察官が700人のデモ参加者を逮捕したことで、同 キャンペーンは、近年で最も多くの逮捕者を出した非暴力運動の一つとなりました。警察官に車道におびき寄せられたと語る人や、歩道を歩けとの警察官の指示 は聞いていないと述べる人もいます。一方、同様の「占拠」キャンペーンはシカゴ、ボストン、ロサンゼルスといった他都市にも拡がっており、数百人が市庁舎 前で抗議のキャンプをしています。番組では「ウォール街を占拠しよう」キャンペーンを組織した主要グループ「集会」(General Assembly)のマリサ・ホームズ、同キャンペーンの法務作業グループに参加するマリーナ・シトリン弁護士、さらに今夏ロンドンで発生した抗議運動を取材した作家でジャーナリストのローリー・ペニーを迎えて座談会を行いました。(17分)

「ズコッティ公園は次世代の抵抗運動の象徴」マイケル・ラトナー弁護士

 ロウワー・マンハッタンのズコッティ公園で、憲法上の人権センターのマイケル・ラトナー弁護士は、公園清掃を理由にしたニューヨーク市による「ウォール街占拠」抗議者排除の試みは表現の自由に対する違反であって、強行すれば大変な衝突に発展していただろうと話します。「違法性を別にしても、あまりにも大規模な群集ですから、流血の事態になっていたでしょう。この一帯に数千人の人が集まっており、労働組合の人たちもたくさんいるところに入ってこようなんて考えるのが間違いだ。公園の閉鎖なんて、うまくいくはずがなかった…もう大きくなりすぎた。この公園は次世代の抗議運動の永遠の象徴になりつつあるのです」。ラトナーは、ウォール街占拠運動の法務班がブルックフィールド不動産に宛てた書簡の共同署名者です。同不動産はこの「民間所有の公園」を公衆に開放する義務を負っています。書簡は、同不動産が公園清掃を理由にニューヨーク市に要請した措置は憲法修正第一条などに抵触する恐れがあると主張し、裁判所の令状なしに警察が同公園で法執行を行うことは違憲であり違法であると警告しています。また、ウォール街占拠組織者の1人に10月15日の「世界・明日への行動の日」の「United for #GlobalChange」(#世界変革のための連帯)と称した計画について話を聞きます。(11分)

「アイスランドに倣えば石油戦争も温暖化もなくなる」オノ・ヨーコ 後編

 芸術家、音楽家、平和活動家として活躍するオノ・ヨーコ。「ジョン・レノンの妻」として扱われがちですが、このセグメントでは、ヨーコ自身の魅力を48分間ご覧いただきます。また、12月8日から日本でも公開されているドキュメンタリー映画『アメリカ対ジョン・レノン』についても、ヨーコに語っていただきます。ジョンの誕生日(10月9日)から命日(12月8日)までのみ空に光を放つ「イマジン・ピース・タワー」。そんなモニュメントを、オノ・ヨーコがアイスランドに作り、10月に除幕式を行いました。 (18分)

デイビッド・グレイバー:貧困層の債務は帳消しに!

グレイバーは負債の観念そのものを問い直します。歴史を見ると、世界のどこでも大金持ちや政府が借りた金は常に融通が利き、減免が可能です。ところが貧乏人が金持ちに金を借りると、とたんに返済は神聖な義務となり、おいそれと免除はされません。それでも現在の米国のような社会的な危機になった場合には、歴史的に何らかの救済措置が取られてきました。新王の即位で商人への債務を帳消しにする「大赦」など、さまざまな形で制度化もされてきました。政治的な判断でいくらでも融通が効くのです。ウォール街の占拠に来た人たちは、金持ちの債務がチャラになるなら庶民の債務だって危機に際しては柔軟に対処するべきだといっています。(3.5分)

「ウォール街を占拠せよ」 抗議運動のはじまり

 ニューヨークの金融中心地ウォール街に17日から数千人の抗議者が集まって始まった「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」と呼ばれる運動は、3日目を迎えた今日、デモ参加者が行進を行います。カイロのタハリール広場やマドリードのプエルタデルソル広場で行われた大規模な抗議運動に触発されて、数百人の参加者がこの2日間ウォール街の周辺で夜を過ごしました。デモラシー・ナウ!のサム・アルコフが撮影した抗議行動のビデオレポートを放送し、さらにブログ「非暴力闘争の遂行」(Waging Nonviolence)の編集者ネイサン・シュナイダーに、抗議行動の最新情報を現場から報告してもらいます。また一連の抗議運動に参加した人類学者のデイビッド・グレイバーにも話を聞きました。「(エジプトとスペインでの)デモ参加者の多くは若者で、大半はそれぞれの国の教育制度をまっとうし、多額の債務を抱えて卒業してみれば、就職するのは絶望的に難しいことが分かったのです。既存体制は彼らを完全に裏切った。もし生きる価値のある社会ができるとするなら、私たちはそれを自分たちの手で生み出す必要があります」とグレイバーは語りました。

【EXPRESS】伝説的バンドCSN&Yのクロスビー&ナッシュがウォール街占拠ライブを語る

クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングのデヴィッド・クロスビーとグラハム・ナッシュが、ウォール街占拠運動の応援にかけつけました。政治的メッセージを発信しつづけてきた2人が、スタジオでウォール街占拠や原子力発電に反対する理由を語ります。ウッドストックの懐かしい映像やWhat Are Their Names? のアカペラ演奏もお楽しみください。

キャンベル教授 リビア介入をめぐる欧米の偏見、アラブの偏見

西側の軍事介入の危機が高まるリビアの現状について、シラキュー ス大学のホレス・キャンベル教授に話を聞きました。民主化要求運動への弾圧をめぐる西側の報道や介入の是非をめぐる議論の中から、アフリカとアラブの2つの世界にまたがるリビアにまつわる様々な認識上の問題が浮かび上がります。(14分)

WikiLeaks: モンサントの遺伝子組み換え作物を拒む欧州に米国が報復を検討

ウィキリークスがリリースした外交公電によると、フランスがモンサント社の遺伝子組み換えコーンを禁止したことを受けて、ステイプルトン元駐仏大使は2007年、EUへの報復を米政府に要請していました。ゲストのジェフリー・スミスによると、ブッシュ政権時代、フランスだけでなく駐スペイン米大使もモンサント社の幹部からヨーロッパの政治状況の説明を受け、GM普及策を一緒に練っていたのです。ウィキリークスの公表により、モンサント社の世界戦略とブッシュ政権のむすびつきが確認されたわけですが、このような強引な販売戦略によりモンサント社は米国産大豆のほぼ100%、トウモロコシは約70%を占めたといわれます。

ショック・ドクトリンにご用心!組合つぶし法案と米国の火事場泥棒

日本では未曾有の自然災害と原発事故という最大の国難のさなかに、無策を糾弾された総理が退陣を表明し、大連立が叫ばれています。党利党略を捨てて協力して国難にあたるそうですが、いったいなにをするのかは定かではありません。消費税引き上げ、TPP参加、コンピューター監視法案(共謀罪の一部切り離しです)など、およそ災害対策とは無関係な政策がごり押しされる気配もあります。社会的な危機の中では、強力なリーダーシップによる決然とした対応が必要です。しかし、ひとつ間違えば危機に乗じた権力の集中につながります。そんな時間はないといって民主的な幅広い議論を退け、これしか方法はないのだと騙して国民に犠牲を強いることを許しかねません。(21分)

「ショックドクトリン 大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革」 ナオミ・クライン新著を語る 2

カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインが、話題の新著The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism(『ショック・ドクトリン:惨事活用型資本主義の勃興』)について語ります。ケインズ主義に反対して徹底した自由市場主義を主張したシカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマンは、「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べました。この主張をクラインは「ショック・ドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなします。近年の悪名高い人権侵害は、とかく反民主主義的な体制によるサディスト的な残虐行為と見られがちですが、実は民衆を震え上がらせて抵抗力を奪うために綿密に計画されたものであり、急進的な市場主義改革を強行するために利用されてきたのだ、とクラインは主張します。 (17分)
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