6月末に起きたホンジュラスのクーデターは、中南米の歴史を見てきた人にはおなじみの光景だったかもしれません。民主的に選ばれたマヌエル・セラヤ大統領が軍部のクーデターにより国外追放されました。それを率いたロメオ・バスケス将軍は、米国の陸軍教練機関スクール・オブ・ジ・アメリカズ(SOA)で訓練を受けていました。SOAは現在は名称を変えてWINSECと呼ばれていますが、これまで6万人以上のラテン・アメリカ諸国出身の軍人を訓練してきました。その多くは祖国に戻って人権蹂躙や拷問、裁判なしの死刑執行や大量虐殺などに関わっています。放されたホンジュラス大統領マヌエル・セラヤと今回のクーデターについて、『革命!南米と新左翼の台頭』の著者ニコラス・コズロフに聞きます。セラヤはもともと特権階級出身の実業家で、当初は保守的な姿勢が目立ちました。しかし、2007年以降、中南米全体に左翼的な傾向が顕著になると、セラヤもその流れに乗り、革新的な立場を取り始めました。(20分)