WEBVTT

00:00:04.350 --> 00:00:09.220
バチカンで歌うパティ・
スミスさんでした

00:00:09.220 --> 00:00:17.640
昨晩ＮＹの年末コンサートで
バチカンの演奏について話しました

00:00:17.640 --> 00:00:24.420
デモクラシー・ナウ！も
今年最後の放送です

00:00:24.420 --> 00:00:32.430
英国の作家 アイバリー氏が
教皇フランシスコについて語ります

00:00:32.430 --> 00:00:39.030
教皇の新しい伝記
『偉大な改革者』の著者です

00:00:39.030 --> 00:00:45.020
オバマ大統領は教皇に
キューバとの関係改善への

00:00:45.020 --> 00:00:46.590
協力を感謝しました

00:00:46.590 --> 00:00:49.300
教皇庁も声明を出し

00:00:49.330 --> 00:00:55.350
１０月に両国の代表団を
招いたことを明かしました

00:00:55.350 --> 00:00:59.670
教皇自身も この成果にふれました

00:01:01.920 --> 00:01:04.600
本日は皆が喜んでいます

00:01:04.600 --> 00:01:11.670
長い間 断交していた２国が
あゆみ寄りの一歩を踏み出した

00:01:11.670 --> 00:01:18.630
外交の力によるものです
両国大使の働きは立派です

00:01:19.300 --> 00:01:25.700
米国キューバ国交正常化への
教皇の尽力は注目されます

00:01:25.820 --> 00:01:30.870
2015年９月には
米国を初訪問の予定ですが

00:01:30.870 --> 00:01:36.520
キューバにも足を伸ばすとは
発表されていません

00:01:36.520 --> 00:01:42.170
教皇は何故この問題に
肩入れするのですか？

00:01:42.170 --> 00:01:45.400
交渉での役割は？

00:01:45.440 --> 00:01:50.350
両国の関係修復が
一気に進むとは

00:01:50.350 --> 00:01:55.430
伝記の執筆中には
気づきませんでしたが

00:01:55.430 --> 00:02:03.956
ブエノスアイレス大司教になる直前
彼がキューバを訪問したことには

00:02:03.956 --> 00:02:06.110
著書でふれました

00:02:06.110 --> 00:02:15.110
教皇ヨハネ・パウロ二世の訪問に
随行した中南米司教団の一員でした

00:02:15.110 --> 00:02:21.880
この体験を基に彼が書いた
『教皇とカストロの対話』は

00:02:21.880 --> 00:02:28.550
今から思うと
とても興味深い回想録です

00:02:28.550 --> 00:02:33.590
その中で彼は共産主義を
厳しく批判し

00:02:33.590 --> 00:02:37.880
イデオロギーの強制であり

00:02:37.970 --> 00:02:44.750
キューバの伝統と価値感に
反するものだと述べている

00:02:44.750 --> 00:02:52.190
でも大量消費資本主義にも
同じく手厳しい

00:02:52.190 --> 00:03:01.310
彼は長期的なキューバの民主化や
多元主義への支持を明確にし

00:03:01.430 --> 00:03:06.110
その過程で伝統を
尊重すべきだとしています

00:03:06.110 --> 00:03:10.775
1998年には
米国の経済封鎖措置を批判し

00:03:10.775 --> 00:03:16.910
交戦中でもないのに
不毛で無意味だと酷評しました

00:03:16.910 --> 00:03:20.990
典型的なイデオロギー対立です

00:03:20.990 --> 00:03:26.220
その打開こそフランシスコ教皇の
生涯の使命です

00:03:26.290 --> 00:03:31.410
イデオロギーの壁を築き
動けなくなった人々に

00:03:31.410 --> 00:03:34.656
調停と打開をもたらします

00:03:34.656 --> 00:03:41.600
相手方を極悪と決めつけ
自滅的な敵対心にはまっている

00:03:41.600 --> 00:03:44.410
誰の益にもなりません

00:03:44.410 --> 00:03:49.570
キューバ問題は時期もテーマも
彼にぴったりでした

00:03:49.570 --> 00:03:57.110
おそらく教皇と親しい
ハバナ大司教のオルテガ枢機卿が

00:03:57.110 --> 00:04:04.690
早い段階で交渉への関与を
教皇に依頼したのでしょう

00:04:04.690 --> 00:04:12.850
両国の初会合はカナダでしたが
教皇の介在は決定的に重要でした

00:04:12.850 --> 00:04:20.020
経済的にも政治的にも利害のない
カトリック教会の庇護の下で

00:04:20.020 --> 00:04:26.290
両者が信頼を築き 中立的な場で
会合する余地が生まれた

00:04:26.290 --> 00:04:32.680
教皇は忍耐強く 両サイドを励まし

00:04:32.680 --> 00:04:39.100
夏場の決定的に重要な時期に
双方の指導者に親書を送り

00:04:39.110 --> 00:04:44.810
このたびの驚くべき打開への
地ならしをしたのです

00:04:44.810 --> 00:04:50.410
これにより改革への扉が開かれ
キューバも変わります

00:04:50.410 --> 00:04:54.800
民主化と経済の自由化は不可避です

00:04:54.800 --> 00:04:57.780
でも教皇も中南米の出身です

00:04:57.780 --> 00:05:03.400
伝統に即した独自の成長モデルが
必要だと知っている

00:05:03.410 --> 00:05:06.320
キューバも中南米に属し

00:05:06.320 --> 00:05:13.200
カトリックの人間中心主義の
伝統が息づいているので

00:05:13.200 --> 00:05:17.370
教会は重要な役割を担うでしょう

00:05:17.370 --> 00:05:23.460
キューバの民主主義への移行を
見守り 育む役割です

00:05:23.460 --> 00:05:30.810
フランシスコ教皇は調停役として
聖霊が働きかける場をつくります

00:05:30.810 --> 00:05:36.200
それが彼のライフワークです
７０年代はイエズス会士

00:05:36.200 --> 00:05:42.790
後には枢機卿や大司教としても
そういう役割を務め

00:05:42.790 --> 00:05:46.880
教皇になった今も
信頼構築を仲介し

00:05:46.880 --> 00:05:49.790
新たな可能性を作り出す

00:05:49.790 --> 00:05:55.770
凡人の想像が及ばぬような
働きをしています

00:05:55.770 --> 00:05:59.630
アルゼンチン時代に関連しますが

00:05:59.630 --> 00:06:07.430
1980年３月24日に暗殺された
オスカル・ロメロ大司教を

00:06:07.430 --> 00:06:11.710
聖者にする動きが再開しました

00:06:11.720 --> 00:06:19.130
ニカラグア元外相の
デスコト神父も復権しました

00:06:19.130 --> 00:06:24.520
教皇が果たした役割は？

00:06:24.520 --> 00:06:31.670
サンサルバドルのロメロ大司教が
祭壇で襲撃され 殺されたのは

00:06:31.670 --> 00:06:39.750
中南米の聖職者の貧者の側につき
自らを犠牲にした象徴的な事件です

00:06:39.750 --> 00:06:45.600
ロメロ大司教の場合は
文字通りの殉教です

00:06:45.600 --> 00:06:54.580
カトリック教会はとうの昔に
彼を聖者に列すべきでした

00:06:54.580 --> 00:07:00.170
でもヨハネ・パウロ二世の下で
保守的な枢機卿たちが

00:07:00.170 --> 00:07:06.100
列聖への手続きを
早い段階で封じてしまった

00:07:06.100 --> 00:07:10.620
ロメロ大司教が
「政治的すぎる」と考え

00:07:10.620 --> 00:07:14.630
「政治的な教会」を阻止したのです

00:07:14.630 --> 00:07:18.330
列聖の手続きは凍結されました

00:07:18.340 --> 00:07:25.720
中南米のイエズス会の出身で
常に貧者に寄りそう教皇が

00:07:25.720 --> 00:07:29.190
最初に行った行為の一つは

00:07:29.190 --> 00:07:36.460
ロメロ大司教の列聖の手続きの
凍結を解いたことです

00:07:36.460 --> 00:07:42.420
これで障害はなくなったが
列聖には一定の手順があり

00:07:42.420 --> 00:07:45.080
「奇跡」などが必要です

00:07:45.090 --> 00:07:50.910
でも教皇が望めば
手続きは速められます

00:07:50.910 --> 00:07:57.240
2015年に中南米を訪問する
話題はあります

00:07:57.240 --> 00:08:01.110
どの国に行くかは不明ですが

00:08:01.110 --> 00:08:06.930
エルサルバドルも当然
候補に入るでしょう

00:08:06.930 --> 00:08:12.220
それまでにロメロ大司教を
列聖するのが望ましいが

00:08:12.220 --> 00:08:17.130
せめて前段階の列福までは
いきたいでしょう

00:08:17.130 --> 00:08:25.470
教会は貧者と共にあるという
力強いメッセージを発信できます

00:08:25.470 --> 00:08:31.960
カトリック教会は全ての人の
救済と幸福を望みますが

00:08:31.960 --> 00:08:37.860
少数が政治と経済を握り
大多数の貧者を虐げる圧制下では

00:08:37.860 --> 00:08:41.230
教会は貧者に寄りそうべきです

00:08:41.230 --> 00:08:48.380
そこにイエスがいたのであり
教会もそこにあるべきだから

00:08:48.380 --> 00:08:51.690
強烈なメッセージです

00:08:51.690 --> 00:09:00.710
オスカル・ロメロ列聖の封印が解け
画期的な自然保護の回勅が出れば

00:09:00.710 --> 00:09:07.850
カトリック教会にも数十年ぶりに
大刷新が来るでしょう

00:09:07.850 --> 00:09:13.380
教皇がこの一年で発揮した
外交イニシアチブは

00:09:13.380 --> 00:09:18.440
教会を再び国際政治の
中心に戻しました

00:09:18.440 --> 00:09:23.150
ヨハネ・パウロ二世の初期に
似ていますが

00:09:23.150 --> 00:09:30.090
フランシスコ教皇は途上国や貧者に
寄りそう姿勢が鮮明です

00:09:30.090 --> 00:09:36.390
ニカラグアのデスコト神父が
処分を解かれ復権しました

00:09:36.390 --> 00:09:43.160
サンディニスタ民族解放戦線の
政府に参加したため

00:09:43.160 --> 00:09:46.620
聖職停止の処分を受けていました

00:09:46.620 --> 00:09:52.440
教会は中南米の指導者を
このやり方で攻撃し

00:09:52.440 --> 00:09:56.450
「解放の神学」を無力化してきました

00:09:56.450 --> 00:09:59.760
デスコト神父について？

00:09:59.760 --> 00:10:04.960
彼の復職は非常に重要です

00:10:04.960 --> 00:10:12.810
教皇が評価するのは人物だという
メッセージになるからです

00:10:12.810 --> 00:10:17.500
信仰の証を
政治と切り離すのです

00:10:17.500 --> 00:10:19.810
ヨハネ・パウロ二世の下で

00:10:19.810 --> 00:10:24.170
「解放の神学」や中南米が
取締りの標的になった

00:10:24.170 --> 00:10:31.990
神学が特定の左翼思想の政治に
利用されていたとしても

00:10:31.990 --> 00:10:36.015
弾圧すれば逆のリスクが生じた

00:10:36.015 --> 00:10:43.970
政治への関与を理由に
個人の美徳や信仰が無視されたのです

00:10:43.970 --> 00:10:49.728
フランシスコ教皇は
解放の神学の理念には

00:10:49.728 --> 00:10:52.950
心から共鳴していました

00:10:52.950 --> 00:10:59.380
例えば1968年ラテンアメリカ
司教会議で表明された

00:10:59.380 --> 00:11:02.850
「貧者のための選択肢」です

00:11:02.860 --> 00:11:10.171
植民地的隷属からの解放という
中南米にわきあがる気運に

00:11:10.171 --> 00:11:13.020
教会も共鳴したのです

00:11:13.020 --> 00:11:19.470
でも７０年代に入ると
「解放の神学」は政治色を強め

00:11:19.470 --> 00:11:24.460
国家権力を握って
富を再分配しようとする

00:11:24.460 --> 00:11:30.130
キューバ革命流の社会主義運動と
同一視されるようになった

00:11:30.130 --> 00:11:37.620
若いイエズス会士だった教皇は
この政治色に反対でした

00:11:37.620 --> 00:11:43.600
政治理念の達成のために
教会を利用するように見えたのです

00:11:43.600 --> 00:11:50.610
彼も「解放の神学」の徒でしたが
それは傍流であり

00:11:50.610 --> 00:11:54.140
当時は知られていなかった

00:11:54.140 --> 00:12:00.580
「解放の神学」というと人はすぐ
ペルーや中米を想起しますが

00:12:00.580 --> 00:12:05.970
アルゼンチン発祥の神学は
「人民の神学」と呼ばれ

00:12:05.970 --> 00:12:14.240
民衆の価値観や伝統や信仰を
理解し 尊重するのが身上です

00:12:14.240 --> 00:12:17.570
それが当時の教皇の拠り所でした

00:12:17.570 --> 00:12:21.310
これが論争の因となっています

00:12:21.320 --> 00:12:26.160
アルゼンチンには
彼を保守派とみる人々がいます

00:12:26.160 --> 00:12:30.570
「解放の神学」の政治色に
抵抗したからです

00:12:30.570 --> 00:12:35.970
でも彼の行動はむしろ
民衆の伝統や価値観を

00:12:35.970 --> 00:12:41.810
特権階級の観念から守ろうとした
と見るのが正解だ

00:12:41.810 --> 00:12:45.630
些細な違いですが 重要な点です

00:12:45.630 --> 00:12:51.670
アルゼンチンで「解放の神学」の
聖職者が殺されたことを

00:12:51.670 --> 00:12:56.290
教皇は今日
悔やんでいると思いますか？

00:12:56.290 --> 00:13:03.950
彼は「解放の神学」弾圧には
一切かかわらず 常に批判的でした

00:13:03.950 --> 00:13:10.460
ロメロ大司教の列聖の容認や
デスコト神父の復権

00:13:10.460 --> 00:13:14.440
ブラジルの神学者
ボフとの対話などは

00:13:14.440 --> 00:13:18.560
ポスト共産主義の時代の反映です

00:13:18.560 --> 00:13:24.360
「解放の神学」が左翼の政治手段と
見られる心配はなく

00:13:24.360 --> 00:13:29.620
教皇も安心して
重要な根本教義を救出できる

00:13:29.630 --> 00:13:38.330
「貧者のための選択肢」とか
貧者を虐げる資本主義の批判とか

00:13:38.330 --> 00:13:40.560
つまり教皇の行為は

00:13:40.560 --> 00:13:48.520
「解放の神学」の基本理念の
ポスト左翼時代における復権です

00:13:48.520 --> 00:13:52.180
最後に女性の話題です

00:13:52.180 --> 00:13:59.530
バチカンは長期にわたる精査の後
米国の修道女の役割を称賛しました

00:13:59.530 --> 00:14:06.160
2012年の報告書では
米国最大の修道女団体が非難され

00:14:06.160 --> 00:14:12.980
同性愛と男性の聖職独占に
尼僧たちが異を唱えたとして

00:14:12.980 --> 00:14:17.170
指導部を全て男性に変えました

00:14:17.170 --> 00:14:27.410
妊娠中絶と同性愛についての
教皇の立場を話してください

00:14:27.420 --> 00:14:36.790
修道女について出された最終報告は
非常に肯定的で称賛に値します

00:14:36.790 --> 00:14:42.990
教皇は常に女性や修道女を
称賛しています

00:14:43.000 --> 00:14:50.140
でも米国最大の修道女団体の
指導部の調査はこれから発表です

00:14:50.140 --> 00:14:58.000
2012年の批判の一部は
含まれているようです

00:14:58.000 --> 00:15:03.160
教皇の人生には
重要な女性が何人もいて

00:15:03.160 --> 00:15:06.520
影響を与えています

00:15:06.550 --> 00:15:12.990
祖母や他の女性たちは
政治や人権問題に関わっていました

00:15:12.990 --> 00:15:20.260
教皇となった今も何人か
非常に親しい女性がいます

00:15:20.260 --> 00:15:25.130
女性を尊敬し 称賛するのは
ずっと変わりません

00:15:25.130 --> 00:15:30.040
女性聖職者は
カトリックの伝統の問題です

00:15:30.050 --> 00:15:35.550
男性であるイエスを
聖職者が体現する

00:15:35.550 --> 00:15:41.180
教皇は保守的な人です
この点は変えないでしょう

00:15:41.180 --> 00:15:47.850
教皇はカトリックの伝統を
よいと思っているので

00:15:47.850 --> 00:15:52.650
改革は伝統の範囲内で
行われるでしょう

00:15:52.660 --> 00:15:57.110
でもバチカンの指導者に
女性が増えることは望んでいる

00:15:57.110 --> 00:16:05.770
2015年中に教皇庁の改革という
重要な事件が報告されるでしょう

00:16:05.770 --> 00:16:13.970
今までより多くの女性が
教皇庁の要職につくでしょう

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アイバリー氏は英国の作家 解説者

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メディアが描く教会像を改善する
「カトリックの声」の共同設立者です

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彼の新刊は『偉大な改革者』です
英国からのご出演でした

