マイケル・ムーア 医療保険制度改革法案は「資本主義にとっての勝利」

2010/3/23(Tue)
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オバマ大統領が内政上の最優先課題とする医療保険制度改革は、3月21日ついに下院で改革法案が可決されました。民主党は60年代の公民権運動以来の最大の社会改革と自画自賛しますが、他の先進国並みの国民皆保険制度を望んでいた米国民には、ひどい期待はずれでした。国民皆保険に近づいたとはいえ、政府が運営する公的保険はオプションとしてさえ導入されず、民間企業の提供する医療保険への加入を義務づけられるのです。映画『シッコ』で医療保険制度の欠陥を強烈に批判し、大統領選挙でオバマ候補を積極的に支持したマイケル・ムーア監督に、この結果について聞きます。

「善良なうわべをとる悪は、見るからに忌まわしい悪よりも たちが悪い」と、ムーアは共和党と民主党の政治を比べます。民主党はしばしば好感の持てる仮面をかぶって国民の味方のふりをする。 選挙では公的に運営される国民皆保険を訴えていたオバマですが、実際には民間保険企業と対決する気などさらさらなく、公的保険のオプションは最初から巧妙に退けられていました。大統領候補になった時からオバマには医療業界から上院議員中最大の献金が押し寄せていたのです。こんなオバマには、医薬品業界や金融業界への規制を強化するつもりもありません。口先だけの改革を説いて、ブッシュ政権との違いはほとんどありません。

こんな民主党でも、支持する値打ちがあるのでしょうか?かつてラルフ・ネーダーが第三政党の出現を許さない米国の二大政党制の欺瞞をまっこうから糾弾し、第三党の候補として大統領選挙に出馬したとき、ムーアは革新派の票を割るなとネーダーに出馬取り下げを懇願しました。しかし今やオバマを支持する理由は、共和党よりましというだけになっているのでは?ムーアはこれに、どう答えるのでしょうか。(中野)

*マイケル・ムーア(Michael Moore) アカデミー賞受賞の映画監督

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字幕翻訳:中村達人/校正:斉木裕明
全体監修:中野真紀子・付天斉