赤道ギニアの独裁者は米国の友人

2008/7/10(Thu)
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30分

2008年上旬には、ジンバブエのロバート・ムガベ大統領の強引な選挙干渉や対立候補の弾圧に、国際社会の非難が集中しました。独立以来ずっと政権を握り続けているムガベ大統領の統治はもちろん理想とは程遠いものですが、その一方で同じアフリカのもう一つの独裁国家、赤道ギニアで行なわれている人権侵害については、国際社会は口を閉ざしています。

赤道ギニアでは、独裁者テオドロ・オビアンが30年近くにわたって、圧政を敷いてきました。暴虐な政治でアフリカ一の独裁者と言われたオビアンですが、1990年代半ば赤道ギニアに石油と天然ガスの埋蔵資源が発見されると、彼に対する評価は一変します。米国の態度はコロリと変わり、今では米ブッシュ大統領の「よき友人」です。

石油や天然ガスのおかげで一人当たりの国民総所得はアフリカでもトップレベルですが、国民の6割が水道も使えない状態です。度はずれの汚職や選挙のでたらめぶりは、ムガベ大統領の比ではありません。それでもオビアンへの批判は聞こえてきません。こうした明らかな報道の扱いの差は、ひとえに石油という戦略資源のある無しで決まっているようです。

こうした欧米の干渉のご都合主義について、ハーパーズ誌のケン・シルバースティーン記者とレーガン政権時に赤道ギニアの米国大使として務めたフランク・ルディーに話を聞きます。

*ケン・シルバースティーン(Ken Silverstein)ハーパーズ誌のワシントン編集員。ワシントンDCの政治腐敗をあばくブログ「ワシントン・バビロン」も公開中

*フランク・ラディ(Frank Ruddy)レーガン政権時代の赤道ギニア駐在米国大使

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字幕翻訳:大竹秀子 /校正:桜井まり子
全体監修:中野真紀子・付天斉