ヒューマニティの前線から 元国連緊急援助調整官ヤン・エグランドが語る

2008/3/28(Fri)
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28分

世界食糧計画は2008年3月5億ドルの追加資金を支援国に緊急要請しました。食料と原油の価格高騰による資金不足のためです。シーラン事務局長は、このままだと供給量をカットしなければならないと警告しています。現在約80カ国7千万人を超える人々が配給を受けています。

人道問題担当の元国連事務次官で緊急援助調整官だったヤン・エグランドはダルフール、コロンビア、ガザ、レバノン、ウガンダ、コンゴ、イラクと世界で最も貧しく衝突の絶えない地域で長年仕事をしてきました。コロンビア革命軍の指導者に会った数少ない国連外交官であり、中東和平では1993年のオスロ合意に結実したイスラエルとPLOの秘密交渉の仲介に活躍しました。国連緊急援助調整官時代には、インド洋大津波やイスラエル・レバノン戦争、ダルフール紛争などに対処しました。

そうした経験をまとめた回顧録『10億の命;ヒューマニティの前線からの目撃証言』が最近出版されました。ヤン・エグランド氏をスタジオに招き、現在もっとも重大な人道上の危機と考えられる世界の紛争のいくつかについて話しを聞きました。膨大な死者を出しながら、あまりにも報道されていないコンゴ東部の紛争や、ダルフールの紛争、40年にわたるコロンビアの内戦、ガザの危機的な状況などが、語られます。(中野)

ヤン・エグランド(Jan Egeland)元国連の人道問題担当事務次官で緊急援助調整官をつとめた。現在はノルウェー国際問題研究所(Norwegian Institute of International Affairs)の所長をつとめている。最近、国連時代の回顧録A Billion Lives: An Eyewitness Report from the Frontlines of Humanity (『10億の命;ヒューマニティの前線からの目撃証言』)を出版した。

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翻訳:大竹秀子 / 校正:桜井まり子
全体監修:中野真紀子 高田絵里